公認会計士試験に合格するために必須なのが答練です。
多くの人が受講しますが、思った通りに点数が取れず、悩んでいる人は少なくないと思います。
中にはやる気が起きなくなる受験生もいるでしょう。
ですが、心配いりません。
会計士本試験に受かればよいのですから。
そこで今回の記事では、公認会計士試験に合格するための「答練の正しい使い方」について解説していきます。
まだ受けてない人は先ずは答練を受けてみましょう。
点数が悪かった人は、とにかくご自身の答案を冷静に手に取ってみます。
そこから新たなスタートです。
しかも大きな第一歩です!
・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営
答練の正しい使い方①:全科目で先ずは平均点を目指す
答練の目的の一つに、自分の相対順位や相対学力を知ることがあります。
会計士試験は相対評価だからです。
ですが誤解してほしくないのは、決して答練で良い点数を取ることが勉強の目的ではありません。
また、特に最初のうちは、思ったほど点数が取れないでしょう。
ですが、それで構わないのです。
あえて点数や順位について注意するとすれば、平均点を取れるようにしていくこと。
答練をやっていくと分かりますが、得意科目と不得意科目がでてきます。
このうち、特に得意科目の点数や順位が気になってきますが、
重要なのは、得意科目を伸ばすのではなく、苦手科目をつくらないようにすることです。
ズバリ言えば、最悪でも全科目で平均点を死守するようにしていくのです。
なお、答練では自分の弱点を知ったり、理解不足を補強することも重要な目的の一つです。
それが復習です。
次は、この復習のポイントについて解説します。
答練の正しい使い方②:返却された自分の答案が合格のカギを握る!
答練は復習がすべてと言っても過言ではありません。
にもかかわらず、解答解説を漠然と読むだけでオシマイという人があまりに多い!
肝心の自分の答案とじっくり向き合う人は少ないのです(答練受講の盲点です)。
でも、返却された答案って、本試験合格に直結するヒントが満載です!
ですので、自分の答案を基に次の2点を心がけてみてください。
弱点を補強し、着実に学力を本試験合格レベルへともっていけます。
- 皆ができたところを落としていないかチェックする
- 論文答練では必ず自分の答案を読み返す
会計士試験の合格で必要なのは、誰もができる設問や論点を確実にできるようにすることです。
誰もができない問題や難問で点数を稼ぐことではありません。
なので、まずは皆ができる箇所や基本的な問題で落としていないか確認します(採点講評を必ずチェックのこと!)。
これをしないと、本番で自分だけができなかった、という最悪の事態になりかねません。
特に皆ができない設問を正解する一方、皆ができる箇所を落としていたら、勉強法が間違っている可能性があるので要注意です(ベテラン受験生が陥る典型的な罠です)。
そして次のポイントです。
論文の答練では、返却された自分の答案を読み返してみます。
ですが、これって皆さん殆どやらない!(やってもカタチだけ)
点数の悪い答案など、まず放置されたままですね。
でも、そこに皆様の成長のカギが隠されています。
皆、同じ教材を使っているように見えますが、実はここで各人の教材は変わってくるのです。
答練全般に言えることですが、
点数の悪かった答練ほど、あなたを成長させる宝物です!
悲惨な答案用紙をもって講師室に出入りしていた話<コラム>
受験生の頃の話ですが、筆者は結構、論文が苦手でした。自分では「書けた!」と思っていても、実際は40点以下だったりして。
あの時の情けなさったら、ありゃしない!
じっとしていられず、悲惨な答案用紙をもって講師室の扉を叩いたものでした。
でも、講師の方と一緒に(自分の答案を)じっくり読んでみると、「ああ、これじゃ、ダメだ」と痛感させられる。
まさに勉強の原点でした。
答練の正しい受け方③:実戦訓練として活用する
答練や模試では良い点が取れるのに、会計士本試験では失敗してしまう
こんな受験生が後を絶ちません(特に受験が長引いている人に多そうです)。
いわゆる、予備校の答練慣れの問題です。
実は予備校の答練って、会計士本試験の過去問を研究し尽くしたうえで、学習効果が高まるように上手く作成されています。
しかもその予備校特有の傾向があったりもします(問題作成者側のクセのようなものです)。
他方で、自分が利用している予備校の答練を受け続けていると、どうしてもその答練の傾向に慣れていきます。
本試験問題が過去問と全く同じだったり、予備校と似たような傾向の問題であればよいのですが、実際には、そのようにはいきません。
傾向や問われ方は、結構変わってくるものですし、実際に受けてみると違和感が拭えないのです。
しかも、あっと驚くサプライズ問題や難問が仕掛けてあることも。
ここでなんとか対応できないと、先のような本末転倒の事態が生じ得ます。
特に答練のため(だけ)の勉強をしていると、そうなりがちです。
そこで対策としては
- 答練を実戦訓練として使う
- 普段活用している予備校とは別の予備校の模試を受ける
答練期も後半にさしかかったら、予習や準備をしないで本番さながらに受けてみます。
つまりここでは最高の出来ではなく、あえて最悪の状況を想定していくのです。
また、是非おすすめしたいのが他流試合です(特に直前期)。
具体的には、普段活用している予備校とは別の予備校の模擬試験を受験してみます。
かなり違和感が感じられると思いますが、
ホームではなくアウェーで戦う経験は、本試験対策としては大変効果的です。
どんな問題が出題されても戦い抜く(最悪の状況下でも生き抜く)逞しさや図太さが養えます。
途中で難問に引っ掛かってしまったら<ワンポイントアドバイス>:
試験では易しい問題から手を付けていくのが大原則ですが、いつも上手くいくとは限りません。
難しい問題に引っかかってしまうことは現実には起こり得ます。
そこで大切なのは、いつまでも考えていないこと(悩んでいないこと)。
3分考えても手が動かないときは、さっさと飛ばしていきます。
ですが、これが難しい。時間をかけるほど拘りたくなってきます。
この見切りをつけるのも実戦訓練の重要な一つです!
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絶対やめるべき!これは答練を受けたとは言いません
会計士試験の初回受験者は、インプットが忙しく、答練まで手が回らないと思います。
また(一生懸命勉強したのに)答練ができなかったことを考えると、受ける気になりません。
そこでやりがちな過ちの一つが
(答練を受けず)答練の問題と解答を一緒に持ち帰って、自習の時に一人で(マイペースで?)やってみること。
例えば理論科目では、問題をざっと見て、すぐに答えを読んでマーカーしてオシマイ、なんて人もいたりします。
結構これでも答練を受けたつもりになるうえ、
「そんなに難しくないじゃん!このぐらいの解答なら、自分でも書けるよ」なんて感じることも。
さらに酷い場合は、あちらこちらの予備校の答練や模試を集めることに終始する人もでてきます。
確かに、一部の秀才の中には、このやり方で受かってしまう人も存在します。
ですが、少なくとも凡人(正しい努力をして合格していく人たち)は絶対にやめるべきです。
これらは、たとえて言うなら、浮き輪をつけて(自力で)泳げた気になる、あるいは、補助輪をつけて自転車を乗りこなせた気になるようなもの。
浮き輪や補助輪を外された時のあの必死さが実力をつけていく原動力になるというのに…
公認会計士試験でも同様です。
答練から逃げている人は、真剣に受けている人たちに、あっという間に差をつけられてしまいます。
ですから、たとえ準備不足でも、答練を頑張って受けていく姿勢が大切です!
最後に
公認会計士試験に関連する、答練の正しい使い方について解説してきました。
答練は目的達成の手段です。
つまり、あくまでも本試験合格のために答練はあるのです。
確かに答練受講は重要ですが、その点数や順位に拘るあまり、手段と目的の関係が崩れてしまうことがあります。
そうなると、ベテラン受験生へ一直線となりかねません。
そうならないためにも、ゴール(本試験合格)を見据えたうえで、適切に答練を活用していただきたいと思います。
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