公認会計士と相性の良いダブルライセンスBEST4を紹介!

公認会計士を取得したら、次は何の資格に挑戦しようか。

向上心豊かな皆様の中には、このようにお考えの方もいると思います。

結論的には会計士はどの資格とも相性抜群なのですが、バランスの取れる相棒(パートナー)は、人によっては意外と限られてきます。
会計士の活躍フィールドは非常に広い一方、(パートナー選びは)各人の専門分野によるところが大きからです。

そこでこの記事では、公認会計士と相性の良いダブルライセンスBEST4を厳選して紹介していきます(注:税理士資格は割愛しています)。
皆様の信頼が格段に上がるとともに、専門家としての優位性が圧倒的なものになること請け合いです。

なお、当記事は筆者の経験に基づく個人的見解であることをご了承ください。

この記事の執筆者

・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営

記事の後半では、少しばかりユニークな筆者のケース(公認会計士×弁理士)も取り上げています。
公認会計士のダブルライセンスの醍醐味を感じていただけたらと思います。

目次

公認会計士のダブルライセンスBEST4

会計士はどの資格とも相性抜群!

筆者が知る限り、公認会計士ほど活躍フィールドが広い士業は他にありません。

おカネのことは、どんな事業体にも付いて回るとともに、個人レベルから国際的なビジネスまで仕事の舞台・可能性は無限と言ってよいからです。

基本的にどの資格とも相性は抜群です。

今回は特にオススメ資格BEST4を紹介しますが、それ以外でももちろんダブルライセンスの効果は十分期待できるものです。

筆者は(公認会計士とは反対に)活躍フィールドが限られている弁理士資格を取得しましたが、
上手く活用することで、ダブルライセンスの威力を存分に発揮することができました(後述)。

相性の良い資格ランキング

前置きはこのくらいにして、結論をランキング形式で表してみます。

ランキング資格相性度
1位弁護士★★★★★
2位USCPA★★★★☆
3位MBA★★★★☆
4位中小企業診断士★★★☆☆

異論もあるかと思いますが、それほど大きな違和感はないと思います。

要は、相棒(パートナー)となる資格として、法律系、国際系、経営系のどれを選ぶか、です。

番外編

  • 英会話力・TOEIC
  • ITスキル・情報処理技術者
  • 不動産鑑定士などの専門性の高い資格

特に説明は要らないと思います。
資格とまではいかなくとも、国際化や情報化などに鑑みれば、こうした技能につき会計士との相性は疑いようがありません。

TOEICについては、監査法人国内部なら700以上、国際部並びに転職なら800以上を目指しましょう。
英検なら、準1級(できれば1級)を目指すとよいでしょう。

あと、3番目の不動産鑑定士についてですが、
例えばM&Aのデューディリジェンスや事業承継に伴う自社株評価等で役に立つものと思われます(注:監査業務で有用な場面は、減損会計の適用など、一部に限られるでしょう)。

また、会計士資格があれば、鑑定士の論文試験のうち会計学等の科目が免除されるのもメリットと言えます。

こうした専門性の高い資格は、(限定的ながらも)どこかしらで会計と結びついていくものです。

ただし、業務領域によっては優位性が十分発揮できなかったりするので、自分が先々どういった専門分野に取り組みたいのかを見極めることが大切です。

公認会計士と相性の良い資格はコレ

次に具体的なダブルライセンスの中身を見ていきます。

ここでは試験難易度とともにオススメ度も示してみます(△から◎まで)。

注:相性が良いからと言って、それが直ちにオススメ度につながるわけではありません。
やはり資格であり、(一部を除き)国家試験に合格する必要があるからです。
また中には業務によっては、ダブルライセンスの効果が限定されるものもあったりします。

弁護士:★★★★★

試験(資格取得)難易度:特難
オススメ度:△~○

株主総会、取引契約、子会社の清算…これらの基となるものが法律です。
つまり法律は、企業活動とは切っても切れないということです。

例えば、米国などではCPAは企業法務を行うための前提資格のようなところがありますし、
筆者の周囲でも、会計士だけでは企業の実態に十分迫れない、ということで法曹に転身した方が何人もいます。

知り合いの某弁護士は、大手監査法人に勤務中、借入金絡みで、契約書の不備をクライアントに指摘したところ、顧問弁護士から分厚い反論書が届き、実務の限界を痛感したとのことです。

つまり、法律と会計は企業を支える車の両輪に当たるもので、本来はどちらか一つだけでは片手落ちとも言えます。
監査業務でも常に会社法が付いて回ります。

ただし、弁護士資格はその取得までに膨大な時間と労力がかかるので、万人にオススメというわけにはいきません。

>>司法試験・予備試験対策にはアガルートアカデミー!

U.S.CPA(米国公認会計士):★★★★☆

試験(資格取得)難易度:やや難
オススメ度:〇~◎

2位はUSCPA(米国公認会計士)です。

資格取得に必要な英語力に加え、会計の国際化(IFRSへの対応など)まで鑑みると、弁護士と並ぶ超有望資格と言えるでしょう(なぜか日本では女性に人気だそう)。

特に日米両資格は、BIG4の国際部などでは保有していても不思議はありません(むしろ当然?)。
BIG4本国の幹部会計士達と(日本基準ではなく、彼らの基準を巡り)対等な立場でやり取りする必要がでてくるからです。

実際、諸外国の中には、BIG4に入るにはUSCPAが事実上必須となっているところがあるようです。
なので、特に海外で実務をしたい人は、取っておいて損はありません。

他方、取得のハードルは(英語力にもよりますが)弁護士などに比べると遥かに下がりますし、受験もしやすくなっています。
また、日本の会計士試験に合格したのであれば、内容的な部分は相当カバーできているはずなので取り組みやすいでしょう。

なお、よく言われることですが、社会人の英語で大事なのは、まずは伝える内容そのものです。

そこでオススメなのが

会計+英語(Accounting & English)

ダブルライセンスとまでいかなくとも、この組み合わせ、自身の市場価値を格段に高めてくれます。
差別化の定番ですね。

資格の学校TAC<USCPA(米国公認会計士)>各種コース開講

MBA(経営学修士):★★★★☆

試験(資格取得)難易度:やや難
オススメ度:〇

資格というより学位ですが、こちらも会計士にオススメです。

公認会計士の中には、とかく「会計だけ」という人が散見されます。
会計制度や監査実務については詳しいのですが、マネージメント音痴というか、経営者の方と話がうまくできないのです。

でも、これだと、クライアントとのコミュニケーションはもちろん、自分の管理職としての仕事にも支障がでてきます。

マネージャークラスになると、会計や監査実務以外に、法人の管理業務が本格的に始まります(企業の管理職と同じです)。

実際、MBAコースの多くが、学術的な側面だけでなく、実践的な側面(例えばケーススタディーなどを通じて、経営者としての模擬経験をさせること)をも重視しています。

なので、クライアントの理解から自身のマネージメント業務、さらにはコンサル業務の可能性まで、その効果が広く期待できるでしょう。

なお、米国のビジネススクール(ハーバード、ペンシルベニア・ウォートン、スタンフォード、MIT等)まで行ければ理想ですが、英語力も含めハードルは国内より格段に高くなります。

外資大手戦略系外資投資銀行に転職しようと考えている方は、米国トップMBA取得が有効です。
特に戦略系ならハーバードが、投資銀行ならのペンシルベニア・ウォートンが№1と言えます。

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中小企業診断士:★★★☆☆

試験(資格取得)難易度:(会計士試験合格者から見れば)普通
オススメ度:△~○

MBAの中小企業版といったところでしょうか。
会計士試験で経営学を受験された人は馴染みがあると思います。

そもそも会計は経営を映し出す手段なので、経営そのものについてアカデミックに勉強したい人や、先々、コンサルティングに携わってみたい人にはオススメです。

また、独立して中小企業相手に仕事をしたい人も同様です。

ただし、試験勉強となりますので、MBAコースのような実践的な学習経験は難しいかもしれません。

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実例:公認会計士×弁理士のダブルライセンス

ここでは筆者のダブルライセンス体験談(公認会計士×弁理士)について語ってみたいと思います。

実は、筆者が会計士と弁理士を兼業していた時、弁理士たちはもちろん特許関係のクライアントも、会計士関連の業務に関してはほとんど反応を示しませんでした。

確かに特許権の財産的価値などといった興味深いテーマも無くはなかったのですが、
正直に言うと、特許・知財を仕事のフィールドとした場合で、会計士資格が直接役立ったことはあまりありません。

他方、会計士のフィールでは、特許や知財に関連する問い合わせは結構すごいものがありました。

会計士はあらゆる分野に会計を通じて携わるのですが、特許や知財に精通している人がほとんどいなかったのです。
いわゆる完全なブルーオーシャンでした。

最先端のIT企業から町の中小企業まで、いろいろな相談が来たのを覚えています。
他の会計士からの問い合わせも少なくありませんでした。

当然ながら、そこから特許の仕事の依頼に結びついたケースもあります。
「ああ、それなら、ついでに特許も会計・税務も一緒にやってよ!」といった具合でした(結果的にダブルライセンスが営業ツールにもなった!)。

会計士の活躍フィールドが広いため、そこで弁理士資格を役立てることができたのです。

資格の守備範囲につき、一方は広く、他方は狭い中で、それぞれの位置づけと役割が定まっていった感じです。

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公認会計士と相性の良いダブルライセンスBEST4:まとめ

公認会計士と相性の良いダブルライセンスBEST4について解説してきました。

簡単にまとめると、

  • 弁護士
  • USCPA(米国公認会計士)
  • MBA(経営学修士)
  • 中小企業診断士

です。

他にも、英語力やITスキルなどもおすすめですし、興味のある分野(専門分野)によっては不動産鑑定士なども一考です。

ただし、会計士のパートナーだけあって、どれも試験や勉強は大変なので、取得には相当の力を入れて取り組む必要があります。

ご興味のある方、ピン!ときた方は、ぜひ頑張ってみてください。

皆様の名刺の中に、これらの資格が入る日を祈っています。
クライアントの、あなたを見る目が全く違ってくるはずです。

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