租税法の勉強法【公認会計士試験・科目別攻略シリーズ】

税金の本と税金計算

租税法は論文試験にのみ課される科目です。

また、「法」となっていますが、計算を含め企業法とは勉強法が異なります。
しかも、その計算が会計学の計算と異なり、無味乾燥なうえ、忘れるのも早いです。

特に勉強時間が限られている中、ボリュームも多いこの租税法をどのように攻略していくか。
だれもが頭を悩ませます。

そこでこの記事では、公認会計士試験における租税法の勉強法を解説していきます。

この記事の執筆者

・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営

目次

公認会計士試験・租税法の全体像

租税法は計算と理論が6:4ぐらいで出題されます。

分野別では、法人税法、所得税法、消費税法が試験範囲となります。
その比率は法人税が5~6割で、残りが所得と消費で半々といったところでしょうか。

租税法の特徴としては

  • ボリュームはあるものの、基本的なマターは決まっており、計算パターンも似たようなものが出題される
  • 計算式を覚えるのが大変で、しかもすぐに忘れやすい

レベル的には税理士試験に比べると、基本的な問題が多いといえます。

ただし勉強としては、とにかく計算式を覚えていかなくてはならず、これが結構大変です。
計算式は政策的に決まっているものが多く、○○率などの数字や小数点以下の端数処理(切り上げるのか切り捨てるのか等)をも覚えていかなくてはいけません。

簿記のようなパズル感も無ければ、原価計算のような理論がそこにあるわけでもありません。

しかも、せっかく計算式を覚えても、計算練習をやらないでいると、あっという間に忘れていきます(ここも会計学と違うところ)。

租税法の勉強法①:勉強のタイミングについて

上記のような特徴があるため、租税法では

短期集中、短期決戦の勉強が効果的

です。

要するに短答試験後に集中して取り組み、試験本番に計算力のピークをもっていくのです。

また、そのタイミングとの兼ね合いから、租税法のレクチャーは通信やWeb受講が効率的といえます(しかも倍速で視聴される人が多いとのこと)。

特に5月短答終了後にスタートされる方は、時間的に大変厳しく、すべてのマターを完璧にやっていくことは困難です。

なので5月スタートでは、ある程度、基本事項に絞り込み、その限られた事項を徹底的にマスターしていきます。

具体的には1~1.5カ月集中すれば(一日5時間以上取り組むとして)一通りの基礎を習得することは可能です。

税法分野別の学習時間としては

  • 法人税:2~3週間
  • 所得税1~1.5週間
  • 消費税:1週間

といった感じです。

租税法の勉強法②:計算編

法人税法

最もボリュームがあり、本来なら大変な勉強量を必要とする科目分野です。

ですが、最低限やっておかなければならないマター(例えば頻出度Aランク)は限られてきます。

勉強の中心は損益項目の調整計算です。
損益計算書上の利益をベースに、いろいろと加えたり減らしたりして、税金計算上の所得を算定していきます。

この申告調整を巡っては、他にも留保だの社外流出だの、いろいろと面倒なところがあるのですが、
会計士試験に限っては特に気にする必要はありません。

また、個々の調整計算にしても、公式の暗記が面倒なものの、
特に難問対策などは不要です(仮に複雑な応用問題が出題されても合否に影響しません)。

ここでザっと主な調整項目を挙げると、
固定資産、有価証券、貸倒引当金、寄付金、交際費などが頻出マターとして挙げられます。
他方で、圧縮記帳や特別償却など、複雑で頻出度が低いものは捨てることもアリです(特に5月にスタートする人)。

具体的な勉強では、過去問や答練を徹底的に繰り返せば十分です。

ただし、個々の基本マターについては、完璧に処理できるようにしておくこと。
一つ一つの計算を確実に正解し、これを積み上げていくのです。

中途半端に全分野を網羅的にやろうとしても点数につながりません。

所得税法

こちらも先ずは基本的な事項に絞って、一つ一つを完璧に計算できるようにしておきます。

所得には、給与所得や退職所得、一時所得、雑所得などの様々な所得がでてきますが、これらについて正確に計算できることが先決です。
また、併せて、○○控除(例:扶養控除)などの計算もできるようにしておきます。

消費税法

消費税も出題パターンは殆ど決まっています。

例えば、
課税標準額に対する消費税額や課税仕入れに係る消費税額、課税売上割合、貸倒れに係る税額、といった計算が瞬時に処理できるようにしておきます。
また計算の全体の流れを踏まえておくこと(でないと、何をやっているかわからなくなります)。

具体的な勉強としては、こちらも答練や過去問を繰り返しやっておけばよいでしょう。

なお、消費税は実務に入ってから本当に重要です。
基本的な知識が欠けたままだと、クライアントの前で大恥をかくことになりかねません。

消費税は本当にコワい!<コラム>:
税務実務に就くとわかりますが、この消費税って、簡単そうで結構厄介です。
まるで、ところどころに落とし穴が仕掛けられているかのよう。
税理士ですら、トラブルや税務事故をしばしば起こしてしまいます(税務賠償の事案としても少なくない)。
それも、難しい案件とか見解の相違などではなく、基本的な知識不足や油断、そして勘違いが実に多いのです。
ですが、プロとしては完全にアウト!
なので受験勉強のうちから、多少なりとも緊張感をもって取り組まれることを強くお勧めします。

租税法の勉強法③:理論編

理論分野は奥が深く、それこそやろうとしたらきりがありません。

ですが、もっぱら会計士試験合格ということに関して言えば、守りに徹していくことも必要です(5月短答終了後にスタートする場合は尚更です)。

労力の割には差がつきづらく、さらには時間的制約のほか、他の科目のこともありますから。

教材は過去問、予備校の答練、模試に絞ってひたすら繰り返します(12月スタートの場合は問題集を加えてもよいでしょう)。

設問では根拠条文を示すことが求められますので、まずは条文を探せる(確認できる)ようにします。

また、実際の解答では、計算式自体をゴチャゴチャと記述するのではなく、
「(いくらいくら)損金または経費に算入できる・できない」とか「(いくらいくら)控除される」などと結論を簡潔に答えていきます。

なので、先ずは計算練習とあわせて根拠条文等の基本的な事項を押さえてしまいます。

あと、本番では(わからなくても)とにかく該当しそうな条文を探し出し、なにかしら結論っぽいものを書いておきましょう。
要するに白紙は絶対避ける、ということです。最悪でも条文指摘と「できる」「できない」ぐらいは書けるはずです。

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まとめ

租税法の勉強法の解説をしてきました。

簡単にまとめますと、次の通りです。

  • 租税法は短期集中型の学習が効果的
  • 計算は基本的な項目を完璧にしていく
  • 理論は深入りせず、本番では白紙にしない

租税法の勉強は冒頭でも申し上げた通り、無味乾燥で、なかなか頭には入りづらいところがあります。
正直言って、私も今まで勉強した中で最もツマラナイ科目の一つでした。

ですが、実務でも非常に大切になってくるので、ここは最低限必要な知識を習得するつもりで頑張ってみてください。

ここまでくればあと一歩ですよ!

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