公認会計士に向いている人の特徴5つを紹介!あなたの適性は大丈夫?

折り目正しくスーツを着こなす男性

公認会計士は比較的高収入であり、社会的地位も確固たるものといえます。
そうした理由で目指す人も少なくありません。

ですが、どんな職業にも向き不向きがあるため、自分の適性を知っておくことは、職業人生を成功させるうえで不可欠です。
特にせっかく試験に受かっても「自分は会計士に向いていなかった!」などとなったら最悪、人生狂っちゃいますよね。

そこでこの記事では、公認会計士に向いている人の特徴5つについて解説していきます。

なお筆者は、複数の監査法人に通算10年以上にわたり関与してきました。
そこでは、あっという間にパートナーになった人、残念な人、様々でしたが、その辺も踏まえて率直なところをお伝えできればと思います。

この記事の執筆者

・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・独立後は会計・特許事務所を運営

目次

公認会計士に向いている人の特徴

勉強が好きである

一つ目の適性です。

なぜこれが求められるかというと

  • 公認会計士試験では膨大な勉強をしなければならない
  • 実務に就いてからも、新しい会計基準や制度改正にキャッチアップしていかなくてはいけない

からです。

会計士試験は先の見えない上り坂を上がっていくようなものです。

合格には4000時間必要などと言われますが、実際はどれだけかかるかわかりません。

また、ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変わります。

これに伴い当然ながら会計基準や関係法令も頻繁に変わります。
ボーっとしているとあっという間に取り残されてしまいます。

勉強が継続できなければ、試験だって受からないし、仕事だってできないのです。

受験生A君

試験受かれば安泰じゃないのか?楽してオイシイ思いしたかったのに

クライアントの方が会計士より勉強していた、知っていた、なんて恥ずかしいですし、信頼関係にも影響してしまいますよ。

要するに、生涯、継続して勉強していかなければいけないのです。

もっとも、イヤイヤ仕方なしにやっていてもなかなか頭に入りませんし、実務でも使えないでしょう。

ですので、本当に会計士に向いていると言えるには、勉強好きであることが第一です。

正義感がある

公認会計士がその真価を問われる場面って、どんな場面だと思いますか?

クライアントに喜ばれるシーン?

いいえ、むしろ逆です!

ズバリ、クライアントと意見が対立す場面です。

例えば、クライアントが、
「この(不正の)会計データを認めてくれなければ、会社がつぶれ、多くの従業員が路頭に迷うんだぞ。それでもいいのか!」

こんなことを言ってくるかもしれません。

こんなとき、

「ああ、それは大変ですね。我々会計士も食べていかなくてはいけない。みんなが不幸にならないで済むなら、今回は認めましょう」なんて言いたくなるかもしれません。

でも、

仮にその場はしのげても、積み重なっていくデタラメはいつか溢れ出て、あっという間に日本経済を飲み込んでしまいます。
そして、最悪、日本全体が長い暗黒時代に入り込んでしまうのですね。

なので

最後の最後に会計士に求められるのは正義感です。

これを喪失するくらいなら、最初から公認会計士なんて存在しない方がマシ。
そのくらい大切な適性です

しっかりと数字に向き合える

会計士の仕事の一つが、監査証明業務です。
向き合う相手は膨大な数の書類たち。

そこで待ち受けているのは

とにかく、数字、数字、数字…

です。

会計士試験のテキストや試験問題ばかりに慣れていると、ホント息苦しくなってしまうかもしれません。

人によっては試験勉強と実務のギャップから抜けられなかったり、
「メンドクセーなぁ」「もうテキトーでいいじゃん」と思う人もいたりして。

でも、これだと後々、大変なことに…

上司からレビュー(仕事をチェックされること)もありますが、そのままだと金融庁等の検査で事務所全体が困ったことになってしまうのです。

なので実務に就いてから最初に会計士に向いているか否かが問われるのが、こうした数字との付き合いについて。

(あまり表に出てきませんが)多くの新人会計士が、この段階で会計士の適性に❔マークがついてしまいます。

受験生のうちから心得ておいた方がよいでしょう。
実務は試験勉強とは違うぞ、と。

数字から経営をイメージできる

数字と向き合うことと並んで重要なのが、その数字からクライアントの経営やビジネスをイメージできることです。

あるいは監査の視点を通じてビジネスの緊張感やワクワク感を体感できることとも言えるでしょう。

ですが、これが結構難しい。
スラスラとイメージできたら(修了考査に合格後、直ちに)パートナーになってもいいくらいです!

他方で、これができれば、仕事が楽しくなり、どんどん新しいことに挑戦したくなります。

しかもクライアントの信頼度が違ってきます。
「おっ、この先生、若いのにウチのことわかってくれているな」とか「この会計士さんには、ゴマカシは通用しないゾ」などといった感じです。

また、経営を数字からイメージできると大局的な視点で物事を捉えることができるようになります。

特に、上に行くにつれて、この大局的な視点に立ってリスクを評価していくことが求められます。
そこでは、(個々の数字の辻褄はあっているが)全体として何かオカシイゾ、という感覚が必要です。

ですので、数字だけでなく、その背後にも目を向ける努力をしてみましょう。
法人内で頭角を現せることはもちろんのこと、法人の外へ出てからも可能性や選択肢の幅が格段に広がっていきます。

パートナーはもちろんですが、コンサルタントして成功している会計士たちはこの視点をしっかり持ち合わせています。

公正さと寄り添うことのバランスがとれる


先ほど、会計士に向いている人の特徴として「正義感」を挙げました。
公認会計士の命綱ともいえるものですね。

ですが、誤解してほしくないのは、なにもクライアントに「俺達は正義だ!それに対してアンタたちは……」のような姿勢で臨めと言っているのではありません(少なくとも表向きは)。

これやってしまうと、クライアントとのコミュニケーションや信頼関係に支障が生じてしまいます。

やってみるとわかりますが、監査にはクライアントの協力が欠かせないのです。
監査業務の証拠物件はクライアントの協力のもとに提供されます。

もし、クライアントに、会計士に協力する=ヤブヘビ、などとと思われてしまうと、後が大変。

特に現場会計士は必要な資料がなかなか来なかったりして、会計士自身の仕事に影響してしまいます(したがって事務所でのマイナス評価となる)。

だからこそ、そこはクライアントに対してビジネスマンとして接していくことが必要です。

ただし、必ず一線は守るとの強固な意志を持ち続けることは必要です。

言葉では簡単ですが、結局、このバランスが非常に大切で、かつ難しいのです。

公認会計士の永遠のテーマといってもよいのではないでしょうか。

会計士に向いているというのは、実は大変なことなのがわかります。

クライアントについて勉強してみる~会計士に向いている人に近づくために~

職業の向き不向きを変えるのはなかなか難しいものです。

他方で、自分が会計士に向いているかどうか、なんて殆どの人は事前にはわからないもの。
会計士試験の受験勉強しているときは、それどころではないでしょう。

そこでここでは、少しでも会計士に向いている人に近づくための方策を示しておきます。

それが、クライアントのビジネスについて勉強したり研究したりしてみることです。

具体的には、クライアントの歴史や業界、取引慣行等について勉強してみます。
一般企業の就職活動でやっていることですね。

あるいは数字から少し離れて、「どんなことに挑戦をしたいのかな?」とか「どんな問題を解決しようとしているのかな?」などと意識してみるのも良いでしょう(とにかく新人が表面的な財務分析ばかりやっていても、たかが知れています)。

メリットは次の通り。

  • クライアントに熱意が伝わりコミュニケーションが取りやすくなる
  • 結果として会計データの意味が深く理解できるようになる

上で述べてきた適性に結びつきやすいといえます。

特に実務と理論のギャップに悩んだ時こそ、クライアントについて勉強してみることをお勧めします。
情報はネットや書籍からだけでも、いろいろと入手できるはずです。

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最後に

公認会計士に向いている人の特徴について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

実は、会計士の適性といっても、100点満点で完璧な人なんて殆どいませんし、実際やってみないとわからないことも少なくありません。

また、少し意識したり努力したりすることで変えられる部分もあったりします。

その際には、本記事内容を参考にしていただけたら幸いです。

公認会計士試験の受験生につきましては合格をお祈りしております。

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