公認会計士は3大国家資格の一つと位置付けられており、その試験も難関なことで有名です。
一方で、外観的には華やかなイメージがあるものの、具体的なメリットについてはあまり知られていなかったりします。
抽象的・一般的な紹介に飽きてしまった人もいるでしょう。
そこでこの記事では「公認会計士になってよかったこと」について、具体的にメリット7つを紹介していきます。
会計士を目指そうか迷っている人はもちろん、会計士試験受験生も参考にしてみてください。
勉強の励みになるとともに、ご自分の未来をイメージしていただけるはずです。
・実務経験、通算20年以上
・独立までに大・中・小の3つの事務所に勤務(他に特許事務所経験あり)
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
・学歴:早稲田大学理工学部中退・慶應義塾大学経済学部卒業
公認会計士になってよかったこと
メリット①:高収入
まずは、ザックリですが収入から見てみましょう。
大手監査法人を念頭に置いています(なんか高級車の価格ランク表みたいですね)。
ポジション | 年収帯 | 勤続年数の目安 |
---|---|---|
スタッフ | 450万~600万円 | 1年目~ |
シニアスタッフ | 600万~850万円 | 4年目~ |
マネージャー | 900万~1,200万円 | 7年目~ |
パートナー | 1,500万円~ | 15年目~ |
ご覧の通り、公認会計士は(高収入の目安である)年収1千万円に十分手が届くのです。
しかも通常、30代の若いうちに、です。
また大学を卒業した段階で初任給はナント500万円以上!
一般サラリーマンと比べると、全体的に倍といったところでしょうか。
こうした収入が決してトップ層ではなく、平均的な会計士でも現実的に手に入れられます。
ちなみに筆者は後に事情があって弁理士に転身したのですが、この収入面を考えるとマズったかな!?と思うことがあります。
メリット②:高い社会的地位
これも言わずと知れたことですね。社会的な信頼度を表しています。
よく住宅ローンの借入がしやすいとか、クレジットカードの審査が通りやすい、などといわれます。
具体的にはそういうことです。
あと、結婚相談所の広告などを見ると、男性の職業としてこの資格がしばしば取り上げられています。
一生を託してもよいと考えるにふさわしい相手の職業、といったところでしょうか。
確かに堅実さや安定性も備えているといえます。
起業家や投資家の収入も高いですが、士業有資格者に比べ長期的には不透明といえなくもないですから。
メリット③:長期休暇をとりやすい
監査業務は決算期を中心に忙しいのですが、逆に比較的余裕が持てる時期があります。
要するにオンとオフとのメリハリがつくということです。
確かに、中途半端な忙しさが続くよりも、期限を区切ってケジメをつけて取り組むのが能率的です。
しかも、オフでしっかり充電しておくことで、オンが充実するという好循環もできるでしょう。
具体的には8月ごろが一息つく頃でしょうか。
お盆休みを中心に、3週間近く休暇を取る人もいます。
ただし、その反面、GWはチョット覚悟してほしいです。
もっとも、この時期は旅費等も高くなりますし、皆が休んでいる時に(交通機関等が空いている時に)頑張って仕事するのも悪くないです。
メリット④:様々な企業のビジネスを勉強できる
様々な企業の機密情報を、ビジネスの一環として見ることができます。しかも20代の若いうちにです。
これはサラリーマンではあり得ないことでしょう。
例えば、給与などの人事情報。
あらゆる人の給与を見れてしまいます(他人の給料を見たくて会計士になる人はいないでしょうが)。
また、修了考査に合格して主査(現場管理者)になりますと、会社の事業や内部事情にさらに踏み込んでいきます。
こうした経験が会計士としてのキャリアに役立っていきます。
ちなみに会計士が経験するのは、実務面だけではありません。
理不尽に満ちた(ドロドロとした)人間社会というものを、独立の第三者として目の当たりにする、なんてことも…
中には、新聞沙汰になりかねない深刻な内容も含まれていたりするものです。
これが、また結構、人生の勉強なります。
メリット⑤:人間関係に悩むことが少ない
このメリットは大きいと思います。
多くの社会人がコレに参ってしまっています。
会計士の世界は、業務にハードな面がありますが、この点の心配は殆どないといえます。
理由は、
- 監査チームのメンバーは、基本的にクライアントごとに入れ替わる
- 会計士を目指す人は、泥臭い人間関係を嫌う人が多い
- 会計士は組織の外へ出ていきやすい
要するに、(良し悪しは別として)特定の人達とガチガチに関わらなくて済むということです。
結果、組織としても風通しが良くなります。
ただし、価値観等を押し付けられることがない反面、手取り足取り世話を焼いてくれる人もいません。
つまり、実務的なことも含め、自分で積極的に学んでいく必要があるともいえます。
自由業としての責任も持たされるわけですね。
メリット⑥:無限の可能性がある
公認会計士の活躍フィールドは広く、たくさんの選択肢があります(というよりも無限の可能性といってもよい)。
具体的には、監査以外にも、税務、FAS、各種コンサル、IPO(株式公開支援)、事業会社のCFO、講師業(受験指導)、独立(起業含む)などがあります。
また働き方でも、非常勤をしながらワークライフバランスを図る等、自由自在です。
試行錯誤を伴いつつも、様々な挑戦を楽しむのも良いと思います。
メリット⑦:独立開業しやすい
自由業・サムライ業の原点です。
(一人で全責任を負うことになりますが)完全な自由が手に入ります。
一般的には、税理士で独立開業するケースが多いですが、各人の身の丈にあった業務運営をすることも可能です。
ただし、最近では税務に限らず、自分のこれまでのキャリアを生かして様々なサービスを提供をする会計士が増えてきています。
ですが、独立に関してはこれだけではありません。
この資格、ある意味でなんと保険付きなのです。
会計士として独立しても最初からトントン拍子に行くとは限りません。
スタート時点では収入的にも何かと大変です。
また、事業を軌道に乗せることが結果的に難しかったりします。
そんな時でも
- 監査の非常勤がある(時給5~7000円)
- 監査法人へ復帰もできる
- 転職も比較的スムーズにいきやすい
ですので、臆することなく、各人の求める自由を全力で追求していけるのです。
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(体験談)公認会計士になってよかった~この資格にはこんな使い方もある~
これまでは会計士のメリット一般について解説してきました。
ここでは、会計士の可能性の一環として他の士業資格との相性ついてコメントしてみます。
会計士の差別化を考えている人は参考にしてみてください。
結論として、これがどの資格とも相性抜群なのです。
つまりダブルライセンスを狙う上でも最強といえます。
例えば、筆者は弁理士有資格者でもあるのですが、こんな一見無関係とも思われる資格にも役立っちゃうのです。
弁理士の資格だけ持ってて「特許・商標できまーす」と営業したところで、「弁理士のくせに特許ができるだぁ?当り前だろー!他にも弁理士はゴロゴロいるぜ!」となります。
他方、会計士は活躍するフィールドが広く、あらゆる可能性を秘めているものの、知財に精通している人はごく僅か。
ですので、会計士を持っていると、特許・知財業界からではなく、会計業界を通じて(特許・知財の)仕事が舞い込むのです。
つまり公認会計士資格が弁理士業務の営業ツールとして役に立ってしまうということです。
もちろん、それだけではありません。知財・特許と言えどもビジネスです。
会計や税務と切っても切り離せないところがでてきます。この辺りにも結構、潜在的なニーズがあります。
振り返ってみれば、会計士資格を通じて本当に色々と勉強させてもらいました。
もし会計士資格がなかったら、筆者なんぞ、世間知らずの特許バカで終わっていたでしょう。
公認会計士のデメリット
残念ながら、もちろんオイシイところばかりではありません。デメリットもしっかりあります。
主なデメリットを挙げますと
- 会計士試験は難関で時間がかかる
- 仕事が地味なうえ量的・時間的にハードな時期がある
このうちで、特に前者の試験だけはチョット以上の覚悟が必要です。
何年も勉強に励まなければならない一方、どんなに頑張っても合格する保証はないのですから。
最悪、おカネと時間(貴重な人生の一部)が無駄になってしまいます。
こんな人こそ会計士になってよかったと思えるはず!
以上のように、メリットの多い会計士資格ですが、特に次のような人にお勧めしたいです。
- イジメやパワハラで精神的に追いつめられている人
- 会社が嫌でたまらない人(特に人間関係)
- 顧客対応に悩まされている人
会社の内であれ外であれ、特にツライのが人間関係ですね。
心身ともにボロボロにされてしまいます。
本人にそれを乗り越えるだけのメンタルや体力があればよいのですが、なかなか厳しいのが現実でしょう。
他方で、人間関係に悩んだり、陰湿なパワハラにあう人は、結構、実直で几帳面な方が多いと思います。
そんな方に是非お勧めしたいのが、この公認会計士資格です。
確かに色々と大変な面もありますが、苦労の質や内容が全く違いますし、選択幅と可能性がスゴイです(上で述べてきたとおりです)。
例えば、顧客との関係では、厳しいことを言われる側から言う側に変わりますし、彼等から「先生」と呼ばれます。
これだけでも毎日の生活が変わりますし、自分に自信が持てるようになります。
職歴があるのでしたら30代でも全然OK。
公認会計士になってよかった!と思っていただけるはずです。
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最後に
「公認会計士になってよかった!」と題して解説をしてきましたが、いかがだったでしょうか。
結論としては、高収入で社会的地位が高く、安定性と可能性、そして自由のバランスが絶妙に取れていること、これこそが会計士の最大のメリットといえます。
特にこのバランスは、他のどの士業の追随をも許しません。
この記事を読んで興味を持たれた方は是非、公認会計士を検討してみてください。
すなわち、それはご自身と可能性への投資です。
ご成功をお祈りします。
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