弁理士試験に最短で合格する勉強法|短答・論文・口述別に解説!

弁理士試験は大変な難関です。
それは、単に合格率が低いことだけではありません。

受験者層のレベルは非常に高く、しかも忙しい社会人がその中心です。
中には何年(あるいは何十年?)やっても合格できず、年月だけが過ぎてしまう人もいるほどです。

ですが、他方で時間をあまりかけずに合格する人も少なからず存在します。
結局、こうした資格試験では勉強した内容はもとより、勉強のやり方自体が問われるのですね。

そこで最短合格を目指そうとする方を念頭に、弁理士試験の勉強法について解説していきます。

この記事の執筆者

略歴:特許事務所→公認会計士・監査法人→特許業界復帰→弁理士→独立(特許事務所・会計事務所経営)

特許事務所を営む父親の長男に生まれる。
その関係もあって学生の頃から特許業務に従事。
ところがある日、急にビジネスの広い世界を知りたくなり、公認会計士業界に飛び込む。
父親の健康事情及び自身の適性を考慮して特許業界に復帰、その後、事務所を承継。
資格:弁理士・公認会計士・税理士

目次

筆者の、弁理士試験についての全体的な感想~勉強法の前に一言~

最初に、筆者が弁理士試験の勉強をしていた時の、全体的な感想を述べておきます。

まず短答試験がかなり大変でした。

特に暗記の分量、問題の分量・難易度が尋常ではありません。

勉強自体がきつく、ここで(早いうちに)挫折してしまう人も少なくないようです。

他方、(問題は易しくありませんが)論文試験の勉強自体は短答ほどではないように感じました。

論文の勉強・対策は、短答の延長にある、といった印象です(大変だった短答の勉強が生きてきます)。

そしてもう一つ大変なのが口述試験。
軽視されがちなので要注意です!

口述は年度によって合格率が変わりやすいうえ、運不運にも大きく左右されやすいと言えるでしょう(正直言って、筆者には何のための試験なのかよくわかりません)。

筆者の時は、口述はかなり厳しかったのですが、幸いにも試験官に恵まれ、なんとか助かりました。
例えば特実科目では若い方の試験官が色々と突っ込んできたのですが、年配の試験官がそれを制止して通してくれたのです(口述の試験委員は各科目、2人1組)。
それこそ一生分の運を使い切った思いだった…

弁理士試験の勉強法①:短答編

情報の一元化と繰り返しが大切

短答試験では、各法律(条文)の細かな箇所まで問われます。

そのため、具体的な勉強では条文を一つ一つ丁寧にみていくのですが、
これが結構大変です。

例えば、手続きの主体では、審査官なのか、審判官なのか、あるいは審判長なのか、といった内容まで正確な知識が求められます。

そこで多くの人が、条文集やテキスト等にマーカーをしながら勉強していきますが、これだけだと頭に残りません。
次回の学習をやる頃にはきれいサッパリ(?)忘れています。

そこで重要なのが情報の一元化と繰り返し。

最終的には四法対照の法文集などに情報を集約したうえで、
通勤時間などのスキマ時間を使って繰り返し覚えていきます。

また、暗記は忘却曲線を念頭に復習すると頭に定着しやすくなります。

例えば、1回目の復習は次の日、2回目の復習は1週間後、3回目の復習は1月後、などといった具合です(復習の回数が進むにつれて時間をあけていきます)。

過去問演習はインプットと並行して行う

繰り返しと並んで大切なのがアウトプット(過去問演習)です。

この過去問演習は、一通りインプットが済んだ後に取り掛かるのではなく、並行して行っていきます。

過去問を見てもらえればわかりますが、弁理士試験では膨大な知識の理解を問うだけではなく、
その知識を駆使した、相当の情報処理が要求されます。

これがまた難しい。

なので知識の理解とその応用も含めて過去問演習は欠かせないのです。

具体的にはこの過去問について10年分を3周していきます。

特に1周目は殆ど歯が立たないでしょう。
そこで1周目では問題の出来不出来よりも、解答の根拠(選択肢の正誤の理由付け)をしっかり理解することが大切になってきます。

言い換えれば、予備校の講義の視聴やテキストの熟読の後が、実は勉強の本番ということです。

なお、過去問を解いているうちに、色々と気づきがあったり、短答攻略のポイントが見えてきたりします。
これらを先ほどの四法対照の法文集などに書き込み、暗記用の情報を一元化していきます。

弁理士試験の勉強法②:論文編

論文のインプットとは

弁理士試験の知識面については、短答の勉強を通じてかなりの部分がカバーされています。
しかも今日の論文試験は短答的な設問も頻出です。

他方で、論文では自分でゼロから答案を作成していかなくてはなりません。
しかも論文には特有の解答の流れ(パターン)があったりします。

なので、論文のインプットとしては次のことが必要になってきます。

  • 論文の解答パターンの習得
  • 条文の趣旨や定義、判例の暗記

最初の解答パターンの習得については、過去問などの事例問題(の模範解答)を活用していきます。

特に事例問題の当てはめの部分は、自分の言葉で書こうとしても上手くいかないものです。
なので、アウトプットの前に先に手本となるものを通じて雛型を習得してしまいます。

答練では事例の当てはめを訓練していく

答練では自分で実際に答案を作成していきます。

具体的にはインプットした答案パターンを実践・応用していくのですが、
事例の条文への当てはめが特に難しい。

いざやってみると、書けそうで書けないのです。
冗長的になってしまって、上手くまとめられなかったり、的外れなことを書いてしまったりします。

そこで答練でこれを訓練していきます。

他方、趣旨や判例はインプットしたものを、キーワードを使って再現していきます。
実はこちらの方で差がつくことは、それほどなさそうです。

むしろ差がついてしまうのは、もっと基本的なところ。具体的には、

何条の問題か、どんな手続きや措置を求めているのか

こんな基本的な箇所で多くの受験生が落としてしまいます(題意把握ミスや項目落としと言われるやつです)。

したがって、
問題文をすばやく分析して題意を正確に汲み取り、そのうえで事例を条文に当てはめていく(そして簡潔にまとめる)

これこそが論文のアウトプットでの勉強となってきます。

弁理士試験の勉強法③:口述編

最後、口述試験です。あとひと踏ん張りです。

内容的には、短答や論文で勉強してきたことで十分なのですが、
最も違うのが、手で書くのではなく、質問を耳で聞いて口頭で答える点。

筆記とは頭の使いどころが違いますし、緊張感も別次元です。

ですので、論文試験終了後、一息ついたら(論文の発表を待つまでもなく)口述対策に取り掛かります。

教材としては、条文集と口述対策用の参考書1冊を活用していきます。

また論文に合格していたら、口述模試を受けましょう(かなり不愉快な思いをされるかもしれませんが、仕方ありません)。

特に近年の口述では、事例問題(パネル問題)が頻出です。
結構、本格的に問われますので、事前に訓練しておかないと、運不運に左右されてしまいます。

なお一応、試験中に条文を参照することは可能ですが、実際には見ている余裕はあまりありません(なので口述模試が始まるまでに、条文等の基礎事項は覚えておく)。

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やってはいけない弁理士試験の勉強法

専門書を読みあさる

受験が長引いていいる人(いわゆるベテラン受験生)にしばしば見受けられます。

中には「中山先生の○○や吉藤氏の△△は受験生の必読だぞ!」のようなことを言う人もいるようです。

ですが、今日の試験対策としては全く的外れですし、時間の無駄以外の何ものでもありません。

やはり、

本試験を徹底的に研究した予備校の教材がベストであり、これと答練をひたすら繰り返す、

最短合格にはこれに尽きます。

実務の視点で答案を書く

実務家、しかもこちらもベテラン受験生に多そうです。

近年では特に特許法を中心に(表面的には)実務をうかがわせる出題が目立ちます。

中には「よ~し、ここでオレの腕を見せてやる!」と意気込みたくなる人もいるかもしれません。

ですが、本試験では実務能力など全く求めていませんし、かえって(用意されている)模範解答から外れてしまいます。

題意外しや項目落としの原因ともなりますので、
実務的な視点は百害あって一利なし、と肝に銘じるべきです。

答練・模試を受験しない(特に論文)

忙しい社会人の方の中には答練や模試を受験しない人が散見されます。

特に多いのが(答練を受験せず)問題と解答を入手して、これらを読んでマーカーしてオシマイ、というパターン。

模範解答に書かれている内容は通常、基本的なマターが中心ですので、読むだけで自分で書けた気になってきます。
「この程度なら自分でも書けるさ!」みたいな感じでしょうか。

ところが実際自分で答案を作成するのは、基本的なものでも案外難しいものです。

特に(制限時間内に)題意を的確につかみ、かつ簡潔に記述していくには相当の訓練が必要なのです。

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最後に

弁理士試験の勉強法を解説してきました。

とにかく弁理士試験の受験勉強は長い道のりです。
様々なカリキュラムをこなしていかなければならず、それこそ茨の道とも言えるでしょう。

ですが、そんな中で最も大切な事とは、

常に受験勉強のゴール、すなわち本試験を見据えること

であると思います。
この一瞬のためにすべてはあるのです。

ですので、皆様もこの点を念頭におきつつ、ぜひ最短合格を果たしてもらいたいと思います。

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