今日では公認会計士が一つの監査法人に定年まで在職するケースは少なくなっています。
この記事をご覧になっている人の中にも、監査の仕事の傍ら先々どうするか悩んでいる方もいるでしょう。
実は筆者もそんな一人でした。
本当に迷って迷って、それこそ職を転々としたりして…
最終的には独立に落ち着いたのですが、それまでは紆余曲折しながら転職先も含めいろいろと研究をしたものです。
そこでこの記事では、筆者の経験や知人のケースを踏まえつつ、公認会計士におすすめの転職先8選を紹介していきます。
新天地で活躍しているご自身の姿をイメージしていただけたらと思います。
・大・中・小の監査法人・会計士事務所に勤務
・その後、特許事務所を経て独立開業(会計・特許事務所)
・実務経験、通算20年以上
・資格:公認会計士・税理士・弁理士
※マイナビのプロモーションを含みます。
筆者が感じた、公認会計士の転職先での現実
筆者は転職先として中小事務所を渡り歩く一方、事情があって異業種(知財業界)にも従事してまいりました。
そうした中、様々な分野で活躍される会計士と出会いましたが、他方で気になることもあります。
それは(多くの転職エージェントがあるにもかかわらず)
転職に失敗したと感じている(後悔している)会計士が少なくないこと。
要するに「何か違う」「こんなはずではなかった」などの違和感が拭えないほか、
監査法人勤務とのギャップに悩まされたりするのです。
また、しばしば聞かれるのが(社内での)コミュニケーションについての苦労。
これが上手くいかないと、職場で孤立したり、一人で懸案事項を抱えることになりかねません。
さらには転職先によっては監査経験が思ったほど役に立たないと感じる人もいるようです。
転職というと、それ自体の成否ばかりが取り上げられがちですが、大切なのは業務に就いた後であると言えます。
公認会計士のおすすめ転職先8選
まずは会計士の主なおすすめ転職先候補を列挙してみます。
- 中小監査法人
- 企業経理・財務
- M&A、財務DD(FAS)
- 事業再生(FAS)
- IPO(株式公開支援)
- ベンチャー・CFO
- 大手税理士法人
- 中小会計事務所
昔は会計士の転職と言ったら中小監査法人や税理士事務所が主流だったのですが、
今日ではFASコンサルや事業会社への転職が増えてきています。
以下では、これらの転職先候補について次のチェックポイントに触れながら紹介していきます。
- ワークライフバランス
- 安定性・離職の程度
- 監査からの転職のハードルの高さ
- 年齢
- 転職の際に提示される年収
中小監査法人
ワークライフバランス | 5 |
安定性・離職の程度 | 3~4(※) |
監査からの転職のハードル | 低 |
年齢 | 特になし |
転職の際に提示される年収帯 | 510万~955万円 |
- 「ワークライフバランス」「安定性・離職の程度」は5段階評価です(大手監査法人は概ね3)。
- 年収帯は転職エージェントの求人検索を活用して平均幅を算出しています。
監査法人への転職は、転職先としては最もハードルが低く、年齢もあまり問題とならないでしょう。
転職のしやすさとしてはナンバーワンです。
業務の発展性やキャリアの可能性は限られてきますが、次のような人にはオススメです。
- 監査が好きな人
- 監査法人でパートナーを目指したい人
- 年収を下げたくないが、新天地で今までの経験をフルに生かしたい人
- 大手監査法人に嫌気がさした人
- ワークライフバランスを重視したい
また、特にこれと言って強い転職理由やキャリアの目標がなくても、とりあえず職場を変えたいという人もいると思います。
そんな人でも十分選択肢に入るのが、この中小監査法人への転職です。
ちなみに筆者の最初の転職先が、この中小監査法人です。
非常勤でしたが、独立を目指す人やワークライフバランスを求める人には特にオススメ!
時給が単価5,000~10,000円と高いうえ、働き方も弾力的に決めることができます。
ただし、中小法人と言っても様々で、あらかじめ注意しておかなくてはならない点も多々あります。
大手との違いに戸惑う人もいるかもしれません。
企業経理・財務
ワークライフバランス | 3~4 |
安定性・離職の程度 | 4~5 |
監査からの転職のハードル | 低~中 |
未経験者の年齢 | 40歳まで(※) |
転職の際に提示される年収帯 | 542万~832万円 |
上場企業などの大きな会社では、財務報告書類の作成、連結決算、新会計基準への対応、内部統制の整備、さらには監査法人対応などが主な業務となります。
また、会計士には細々とした経理作業よりも取りまとめが求められることも少なくないでしょう。
リーダーとしてのマネージメントが期待されるのです。
ですので、転職するにあたっては(修了考査に合格して直ぐでもよいのですが)現場責任者(シニアスタッフ)ぐらいは経験しておくことが望ましいです。
ただし事業会社については、年齢が上がるにつれて転職のハードルが高くなるので、その点も留意しておきましょう。
あと注意したいのは、年収ダウンも普通に起こり得ること(それこそ100万円ダウンなど当たり前です)。
監査法人の外に出てみて、はじめて経験したり学んだりすることも少なくありません。
もっとも企業経験は貴重ですし、今日では企業内会計士は増えてきています。
目先の年収にはとらわれない傾向が強くなっていると言えます。
マネージメント経験がない場合は新人扱い?<コラム>
事業会社などでは年功序列的なところが残っていたり、監査法人にはない厳しさがあったりします。
例えば、年配の管理職の方から「先生、そろそろお昼です。よろしければ…」などと声をかけられていたのが、ある日突然年下の先輩社員から「おい、お前、メシ食いに行くぞ!」などと言われることも。
こうした環境変化に対して「やっと(温室を出て)社会人の仲間入りができた」と実感できるでしょうか?
M&A・財務DD
ワークライフバランス | 3 |
安定性・離職の程度 | 2~3 |
監査からの転職のハードル | 低 |
未経験者の年齢リミット | 30代 |
転職の際に提示される年収帯 | 566万~1,350万円 |
会計士が携わるコンサル業務の中でも最もポピュラーなのがFASであり、このM&Aや財務DDです。
とにかく監査経験を活かしつつ、コンサルティング業務を経験できるのが最大の魅力です。
おそらく今日では若手会計士の転職先候補ナンバーワンと言えるでしょう。
転職先にもよりますが、年収も監査法人時代よりも100万円以上アップした、という人も少なくありません。
また、この業務はある意味、監査の応用版的なところがあるため、次のような業務やキャリアに結びつけられます。
- 大手税理士法人を目指す
- 独立開業で差別化を図る(税理士事務所との差別化)
- 金融機関や投資銀行を目指す
- CFOを目指す
年収もよく、会計士のキャリアを生かせるFASコンサルですが、一番失敗のケースを聞くのもこの分野です。
多くの原因は自己分析の甘さとコンサル企業の研究不足。
筆者の周囲でも複数の会計士が1年以内に退職していますので、目指される方はホントにホントに慎重に検討してください!
事業再生
ワークライフバランス | 2 |
安定性・離職の程度 | 2 |
監査からの転職のハードル | 中 |
未経験者の年齢 | 30代 |
転職の際に提示される年収帯 | 466万~853万円 |
こちらも上と同様、FASに位置付けられますが、雰囲気、内容はかなり異なります。
事業再生は、言ってみれば、企業の救命救急といったところでしょうか。
財務DDに比べコンサル度が強くやりがいがあるのですが、次の3点は覚悟が必要です。
- 業務はかなりハードである
- 高い報酬はあまり期待できない
- 結構泥臭く、交渉が苦手な人は辛いかも
業務内容から推測できると思いますが、時間との闘いの場面も少なくありません。
結果としてハードワークとなりがちです。
また対象企業は中小企業が多く、かつ資金的にも大変厳しいので、報酬へ充てられる原資にも限りがあります。
転職しても(やりがいはあるのですが)大幅な年収アップは期待できなかったりするのです。
IPO(株式公開支援)
ワークライフバランス | 3 |
安定性・離職の程度 | 2~3 |
監査からの転職のハードル | 低 |
未経験者の年齢 | 特になし |
特に説明は要らないと思います。
業務の位置づけとしては、監査に属するものですが、それとは異なる雰囲気があります。
すでに出来上がったものをチェックするのではなく、自ら創造していく感じです。
(監査では受け身になりがちですが)IPOでは会計士側が先頭を切って(時には尻を叩いて)指導していかなくてはなりません。
ですので、監査をやっていて、何をやっていたのか、いまいちピンとこなかった、という人はIPOをやってみるのも一考です。
また先々ベンチャーでCFOを目指したいという人も同様です。
筆者の知り合いにもIPOを経験して人生が変わった、という人が何人もいます(当時はFASよりもIPOの方が人気があったと思う)。
そのくらいインパクトのある業務です。
また、個人的な感触ですが、FASよりも転職失敗のリスクが少ないようにも感じます。
あなたはどっち派?~FASvsIPO~:
FASでは、とにかくデータを徹底的に追いかけ企業の実態を明らかにしていくのに対して、IPOでは企業の内部(業務)に深く食い込み、あるべき姿を構築していきます。
結果として前者は不採算部門を売却したりしますが、後者はまさに会社を創っていくのです(「IPOでは生みの苦しみを味わえる」とはよく言ったものです)。
なお、FASでは時としてスピード感を伴いますが、IPOではじっくり腰を据えて取り組んでいく感じです。
ベンチャー・CFO
ワークライフバランス | 1~2 |
安定性・離職の程度 | 1~3(※) |
監査からの転職のハードル | 低~中 |
未経験者の年齢 | 30代 |
転職の際に提示される年収帯 | 863万~1,374万円 |
ベンチャーは上場企業と異なり、内部管理体制や財務報告体制が未整備のところが多く、これを構築していかなくてはなりません。
特にベンチャーの多くが、将来的にIPOを目指していますので、まさに会計士の腕の見せ所となる転職先です。
また、会計士の転職の中でも最も高収入が期待できるのが、このベンチャーのCFO(候補)です。
特にベンチャーではストックオプション株をインセンティブとして付与することも多く、IPO実現に際しては巨額の富を手にすることも可能です(注:ただし途中で頓挫してしまうことも少なくない)。
注意すべきは年齢面について。
こうした企業は社長以下スタッフも結構若く(30代が多い)、CFO候補もそのくらいの年代を求めてきます。
必ずしも、ベテランの年配者ばかりとは限らないということです。
また、とにかく激務です(後述の事例を参照)。
業務は連日深夜まで及ぶので、体力勝負はもちろんのこと、ワークライフバランスはしばらくお預けです。
ただし経験値は爆上げ間違いなし!
大手税理士法人
ワークライフバランス | 2 |
安定性・離職の程度 | 2 |
監査からの転職のハードル | 中~高 |
未経験者の年齢 | 30代前半 |
転職の際に提示される年収帯 | 510万~859万円 |
まず最初に注意しておきたいのですが、大手税理士法人(特にBIG4)と中小の会計事務所は業務の色合いがかなり異なります。
その主な違いを簡単にまとめると次のような感じです。
大手税理士法人 | 中小個人事務所 | |
---|---|---|
得意分野 主要業務 | ・M&Aを含むFAS ・国際税務 ・大型資産税や企業再編 ・タックスプランニング | ・記帳代行 ・給与計算 ・決算申告 ・税務顧問 |
仕事内容 | 特殊なものが多い | 日常的な内容を浅く広く |
顧客 | 個人から上場企業まで幅広い | 個人・中小零細企業 |
主な求人年齢層 | 20代~30代前半 | 特に制限なし |
仕事の形態 | チーム単位で分担する | 個人単位で顧問先を担当 |
仕事のハードさ | 一般的に激務 | 比較的緩い |
給与 | 大手監査法人なみ | 安い |
独立に向いているか | △ | ◎ |
大手税理士法人でももちろん申告業務はやっていますが(例:外資系企業や外国の個人)、業務は特殊な内容が少なくありません。
よって特に独立志望の方にはあまりお勧めできないということになります。
注:ただし独立志望であっても、例えば独立系の国内大手税理士法人で1~2年、資産税を集中して手掛けてみることは十分アリです。
実際にこのルートで独立を成功させている会計士税理士は大勢います。
ですので、まずは自分が将来どのような仕事をしたいのか、独立するのか、組織のリーダーを目指すのか、その辺りを明確にしておくことが肝要と言えるでしょう。
中小会計事務所
ワークライフバランス | 4~5 |
安定性・離職の程度 | 2~3 |
監査からの転職のハードル | 低 |
未経験者の年齢 | 事務所によるが結構柔軟 |
転職の際に提示される年収帯 | 379万~643万円 |
大手税理士法人との違いは上で示した通りです。
ズバリ、独立志望者なら真っ先に検討すべき転職先候補となります。
特に注意すべきは
- とにかく給与は安く(転職の際、200万円以上、年収がダウンすることもあり得る)、昇給もあまり期待できない
- 業務は細々とした事務作業が多く、馴染めないという人も少なくない
結果として、永久就職する人は(事務所の後継者などを除き)少ないです。
基本的に長くいるところではないでしょう。
なお、監査法人からいきなり即独することも可能ですが、給与計算や申告書作成、どれ一つとっても(監査だけしかやっていないと)意外と面食らうものです。
ですので不安な方は(1~2年でよいので)中小事務所で税務を幅広くやってみることをオススメします。
税務申告書の作成は、やったことがないとかなり手こずります。
特に法人税申告書の別表4・5は結構難解!(連結会計並みに大変だと思う)。
実際にはソフトがやってくれますが、自分でも書けるように(転職・独立の前に)「書き方本」等で勉強しておくとよいでしょう。
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会計士の転職成功事例:大手監査法人➡企業経理・財務➡CFO
ここでは、とても印象深かった企業経理・財務への転職事例をひとつ紹介します。
筆者が知財関連の相談を受けた際、お話を聞けた会計士さんのケースです(A氏とします)。
当初、大手監査法人に在職していたA氏は、もともとは監査などに興味がなく、常に転職を意識していたそうです。
修了考査に合格すると、直ちに監査法人から離れ、将来的にはIPOを目指すネットベンチャーに就職。
その際も転職エージェントは通さず、転職雑誌を通じて直接、求人企業に応募したと言っていました。
転職で一番大切なことですが、A氏の場合、ご自身の適性や、やりたいこと等が早い段階から既に明確になっていたのです。
入社後、社長から子会社の立て直しを命じられるのですが、よくよく調べてみると、本社の経理自体に問題があることが判明。
そこで社長に直訴して、人員の総入れ替えから経理・管理体制の抜本的な見直しまで実行していきました。
期間は約1年余り。
企業規模はそれほど大きくないものの、仕事は連日深夜まで及んだそうです。
そうした中、あっという間にCFOにされ、資金調達も担当したのですが、年齢は当時、まだ30歳ぐらいだったと思います。
そんなA氏ですが、いわく
「自分が手掛ける以上はIPOレベルまで企業を必ず引き上げる!でもここまで企業にアドバイスしたり、リードしたりできるのは、あのハードな1年があったから」
とのことでした。
会計士が転職先を選ぶ際の方向性(参考)
次に、転職先を選ぶ際の方向性を示しておきます。
具体的には次の2点のどちらに重きを置くか(あるいはバランスをとるか)です。
①これまでのキャリアを最大限生かせるようにする
転職先例 | 中小監査法人、IPO、FASコンサル |
メリット | 年収アップを狙える |
デメリット | 転職先によってはキャリアの発展の可能性が限られてくる |
あるいは
②ワンランク飛躍するために、もう一度(必要ならゼロから)汗をかく
転職先例 | 税務、企業経理・財務、金融・投資銀行 |
メリット | 可能性の幅を広げ、差別化が図れる(税務なら独立に直結する) |
デメリット | 未経験の分野の場合、大幅な年収ダウンもあり得る |
ここで特に注意したいのが企業や事業会社への転職。
ポジションによっては管理職経験やマネージメント力が期待される一方、管理職未経験者には若さが求められます。
必然的に年齢としては30代前半までに(できれば20代のうちに)転職することが望ましいと言えます。
よって、年齢が高めの方はどちらかというと①の方が現実的です。
なお中小会計事務所ですが、年齢面では比較的柔軟である一方、収入は高くはありませんので注意が必要です(特に未経験者)。
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転職に失敗する会計士の特徴~筆者の経験も踏まえつつ~
意外に聞こえるかもしれませんが、転職に失敗する(転職して後悔する)会計士は少なくありあません。
大型資格を有するがゆえに、あるいは監査法人時代の待遇が恵まれているがゆえに、足をすくわれることもあったりします。
主な原因は次のようなもの。
- 年収アップだけにこだわる
- 監査経験を過信する
- 年齢的に転職のタイミングを逃がす(監査を長くやり過ぎ)
- 転職活動に時間をかけ過ぎる
- リサーチ不足
- 自身の適性の見極めができていない
会計士特有のものもあれば、いたってシンプルなものもあったりします。
年収アップだけにこだわる
会計士は初任給をはじめ一般的に高給です。
また転職≒年収アップと考える人も多いでしょう。
100%間違いとは言えないのですが、この年収アップだけにこだわると先々のキャリアが限られてしまうことも。
特に会計士は若いうちの頃(20代から30歳ぐらいまで)の年収が比較的高いので注意が必要です!
将来的なキャリアの展望まで考えると、年収ダウンの方が先々のためになることも少なくありません。
例えば、税務やコンサル、さらには企業での本格的なマネジメントとなると、今までのキャリアを一旦リセットする必要がでてくることもあります。
事実、会計士の転職では(ワークライフバランスを目指す以外でも)年収ダウンのケースは結構、目にするものです。
近年、会計士から法曹への転身が増えてきています(遅まきながら筆者もこのケースです)。
後々、とてつもない可能性をもたらすのですが、司法修習等があるため一時期は大幅な収入ダウンが避けられません。
監査経験を過信する
少し厳しい話になりますが、監査経験は意外なほど(法人の外へ出たら)評価されません。
エージェントを活用して年収診断なり市場価値診断なりを受けてショックを受ける人もいるでしょう。
確かに会計職はつぶしがきくし、あらゆるフィールドに関係してきますが、監査のスキル自体は市場価値に必ずしも結びつかないのです。
特に近年は品質管理のために膨大な作業が求められる一方、じっくり会計や会社を見る余裕はなくなってきています。
しかも監査業務は基本的にルーティーン作業であり、変化や刺激に乏しく発展性や可能性には限界があります。
こうした監査経験を過信したため、年齢的に転職のチャンスを逃してしまった、という人も。
ですので、監査は今後のキャリアを発展させていくための土台ぐらいに捉えておくのが賢明です。
年齢的に転職のタイミングを逃がす(監査を長くやり過ぎ)
今日、監査法人では(なんとか)マネージャーまでいけても、パートナーになるのは至難の業(全体の数パーセント)です。
他方で、上で述べた通り、タイミングを逃してしまうと年齢的にも転職の機会がグッと減ってしまいます。
言い換えれば、上にいきたくてもいけない、外へ出たくても出られない状況に陥ってしまう、ということです。
ですので、監査法人から離れてキャリアアップを目指す場合は、できるだけ早い方がよいでしょう。
具体的には遅くともマネージャー職に就く前に(できれば20代のうちに)転職するのがオススメです。
筆者個人的には、シニアスタッフ(現場責任者)も含め、監査は通算5年もやれば十分だと思っています。
いずれにしても、惰性で監査法人に居続けることだけは避けたいものです(←筆者の失敗・後悔でもあります!)。
転職活動に時間をかけ過ぎる
転職は一生のことですから慎重になる気持ちはもっともです。
ですが時間をかけ過ぎたり、エージェントを掛け持ちし過ぎるのは考えもの。
特に転職活動に半年以上かけたり、エージェントを10社も掛け持ちすると、迷ってしまい、自身にとって何が最適なのかわからなくなってきます。
結局、選択肢が多過ぎたり、活動の時間が長すぎると、せっかくのチャンスを逃してしまうのですね。
筆者の経験及び周囲の状況からみて(活動期間の目安としては)3ケ月ぐらいがちょうどよいのでは、と思います。
ちなみに成功者の中には、婚活みたいだった、との意見もあるくらいです。
リサーチ不足
転職した後に後悔する例として
- 仕事がつまらない
- ワークライフバランスが実現しにくい
- 職場の雰囲気や人間関係に馴染めない
- 将来が不安になってきた
などがあります。
どれも、こんなはずではなかった、という事態に陥りがちです。
こうしたことは、転職について見切り発車(あるいは思い込みや希望的観測)で進めてしまうことが主な原因です。
その最たる例がリサーチ不足。
「そんなこと、事前にわかることでしょう。ちゃんと情報収集しなかったの?」と言いたくなることも少なくありません。
そうならないためにも、やはり転職エージェントの活用はMUSTと言えるでしょう(後述)。
自身の適性の見極めができていない
上でリサーチ不足の問題に触れましたが、もう一つの後悔の原因となるのが、自己の適性や将来のビジョンに関するもの。
いくら情報が入ってきても、自分が何をやりたいのか、将来どうしたいのか、が明確にならなくてはベストな選択は難しいです。
こうした点を明確にするためにもプロのエージェントのカウンセリングは有効です。
第三者とやり取りしていくうちに自分が見えてくることも少なくありません。
筆者が受験生の頃、お世話になった予備校講師の話ですが、
年収の高さに魅かれてメガバンクに転職した会計士がいました。が、わずか10カ月で辞めたとのこと。
自身の適性の見極めが甘かったようです。
「まだ監査の方がマシだった!」と転職の失敗を認め、結局、予備校講師に戻ったのでした。
公認会計士の転職にはエージェントの活用がベスト
ここでは公認会計士にオススメの転職エージェントを紹介します。
マイナビ会計士 | MS-Japan | レックスアドバイザーズ | ヒュープロ | |
得意分野 | 公認会計士 | 管理部門 士業 | 公認会計士 税理士 | 会計事務所 税理士法人 |
主な年齢層 | 20代・30代 | 20代~50代 | 20代~40代 | 25歳~50歳 |
設立(歴史) | 1973年 | 1990年 | 2002年 | 2015 |
この中で迷ったらマイナビ会計士がオススメですが、特に会計事務所・税理士法人を希望する方でしたらヒュープロがイチオシです。
マイナビ会計士は会計士業界に精通したエージェントで、会計士向けの求人が非公開も含めて充実しています。
ヒュープロは特に会計事務所の求人数が豊富で、しかもスピード感ある対応に定評があります。
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※ヒュープロのプロモーションを含みます。
なお両方併せての活用もできますので、ぜひ比べてみてください。