ここでは、公認会計士試験の科目別攻略法及び個別テーマについて取り上げます。
それぞれについて概要を示していますので、ぜひ会計士試験攻略の全体像を把握してください。
詳細については個別の記事にて解説しています。
とにかく会計士試験では最初が肝心です。
皆様が正しいスタートをきって、一日でも早く合格できるようサポートしていきます。
公認会計士試験の科目別攻略法
財務会計論
- 計算①:計算パターンは決まっているので、体で完璧に覚える
- 計算②:簿記は時間がかかるうえ、すぐに勘が鈍るので、毎日コンスタントにやる必要あり
- 理論:範囲は狭いので、テキスト重視で繰り返す
財務会計の計算では、標準問題及びその解法のパターンは決まっています。
ですので、まずはその解き方やテクニックを完璧に体で覚えてしまいます。
その際は、その都度考えたりすることなく、条件反射的に解けるくらいに訓練すべきです。
出来た出来ない、の問題ではありません。
注意したいのは、簿記は上達するのに時間がかかるうえ、やらないでいるとすぐに勘が鈍ること。
よってできるだけ日々コンスタントにやることをお勧めします。
財務会計の理論についてですが、範囲が狭く、コスパ最高です。
分量は多くないのでテキストを繰り返し読み込みましょう!
管理会計論
- 簿記と異なり計算は理論とともに行う~なぜこの計算をするのか理解する~
- 問題数が多く時間的に厳しいので、問題の取捨選択が必要
- 計算は集中的かつまとめて解くことが有効
管理会計論の計算には会計的な意味や理由(なぜこのような計算をするのか)があるので、そこを意識しながら練習します。
つまり計算とともに理論も併せて勉強していきます(簿記のように解答の数字を出すためのテクニックとは異なります)。
また時間が厳しい一方、難問も仕込まれていることがあるので、問題の取捨選択力も求められます。
そのため制限時間の中でスピードを意識した練習が必要です(答練や模試では解く順番を考えることも大切)。
なお(これまた簿記と異なり)日々コンスタントに練習するより、集中的にまとめ解きした方が効果的です。
監査論
- 監査基準の文言は一字一句正確に記憶する
- 実務色の強い応用問題は深い入りしない(差はつかない)
租税法と異なり分量は少ないのですが、勉強の割には点数が伸びない科目です。
問題によっては実務的な思考が求めらるからです。
なので、費用対効果を考えると、守りに徹するのが賢明であると思います。
基礎を完璧することで平均点プラスαを死守するのです。
勉強のやり方としては、答練のケーススタディーを使って理解に努める一方、監査基準にでてくる用語は正確に暗記していきます。
注意すべきは「監査基準委員会報告」の勉強についてです。
正面切ってこの「委員会報告」に取り組むことはあまりお勧めしません。量が膨大なうえ、実務が前提となっているからです。
予備校のテキスト等を中心に勉強することが合格への早道といえます。
企業法
- 法律の全体像と条文の趣旨を理解する
- 短答:過去問・問題集で選択肢を繰り返しチェックする
- 論文:論点や趣旨を踏まえ論述の流れをマスターする
企業法(メインは会社法)は、財務会計の理論と異なり範囲が膨大です。
他方、試験にでるところはおおよそ決まっていますし、論点も同様です。
ですので中心となる教材は過去問と問題集です(テキストは授業の理解に使ったり、辞書的に活用していきます)。
特に短答は選択肢のチェックを繰り返いし行いつつ、ポイント個所を暗記していきます。
また、論文については然るべき書き方があるので、その流れ(答案構成の仕方)をマスターします。
その際、論点や趣旨、学説等を再現できるように、専門用語や法律特有の言い回しを覚えていく必要があります。
租税法(論文試験)
- 競争のレベルは高くないので、基本的な計算項目を完璧にする
- 計算自体が無味乾燥なので短期間集中で勉強する
監査論と並ぶ守りの科目です。
また、ボリュームがある一方、頻出論点とそうでないところにバラツキがあります。
したがって答練や過去問を通じて、頻出論点を中心にメリハリをつけて勉強します。
特に、法人税を中心に基本的な計算事項を優先していきましょう。
また消費税はパターンが決まっているので、こちらも基本的なところは落とさないように!
とにかく租税法は、勉強が無味乾燥であり、しかも計算式自体の暗記が必要です。
なので、ダラダラと時間をかけず、短期集中で取り組むことをお勧めします。
経営学(論文・選択試験)
- 基本的に答練や問題集を中心に暗記していく(特に戦略・組織論)
- ファイナンスついては計算式も暗記する&理解も大切
難易度は低めでコスパが比較的よい科目です(特別な理由がない限り、選択科目は経営学を選択します)。
内容的にはファイナンスと戦略論・組織論とがあり、解答的には計算と理論があります。
この中で戦略論はとにかく暗記なのに対して、ファイナンスはどちらかというと理解が問われるうえ差がつきやすいです。
また、計算は勉強に比例して報われやすい一方、理論は逆にあまり差がつかないと言われています。
いずれにしても答練や問題集を通じて基礎事項の暗記や計算練習をしていきます。
その答練の受け方間違っていない?<参考>
公認会計士試験に合格するために必須なのが答練受講です。
受験予備校では多くの各種答練・模試が用意されていますので、受験勉強されている方は受講する機会があると思います。
その際のポイントは
- 勉強のモチベーションの維持とインプットの強化
- フィードバックを通じて自分の弱点を知る
- 自分の相対的学力・順位を知る
- 本試験に向けた実戦訓練をする
こうした基本的な事項を認識しないまま、ただ漠然と受けている人があまりにも多い!
ですが、答練の使い方も合格者(受験者の10%)に入れるか否かのカギとなってきます。
公認会計士試験を巡る個別テーマを考える
忙しい社会人向け会計士受験対策
公認会計士試験の合格者は学生もしくは無職(受験専念者)が中心であり、社会人の合格者は少数派です。
そのような現状で、社会人にとって大変なのが勉強時間の確保の問題。
なので決して楽な戦いではありませんが、絶望的なほど無理、というわけでもありません。
他方で、社会人にとって会計士試験が無理といわれる理由や社会人の取るべき勉強法等をしっかり認識することは必要です。
特にポイントは社会人だからこそ、短時間集中で臨むこと。
そして(人によって状況が変わってきますが)受験期間を区切って、その間にすべてを出し尽くすこと。
先ずはこうした点を中心に綿密に計画を立てるのです(行き当たりばったりの勉強では遅かれ早かれ挫折してしまいます)。
会計士試験に不合格となる原因を徹底検証!
残念ながら、公認会計士試験は努力すれば全員が合格できる、というものではありません。
結果的に何年かけても合格できないという人が少なくないのです。
ですが、よく見ると不合格者には特徴があります。
いくつか挙げますと、
- 得意不得意は激しく、得意科目ばかりに固執する
- 難問や枝葉の論点にもこだわる
- 答練や模試を受けない
- 予備校の模試や答練では成績が良いのに本番の試験では落ちる(予備校慣れの問題)
- 直前期に気を抜いてしまう
など。
特に予備校慣れの問題は、受験が長引いている人(ベテラン受験生)には必ずといってよいほど見られます。
他方、短期合格者は(失礼ながら)知識量自体はそれほどでもありません(1年合格者だとベテラン氏の半分以下の知識量だと思う)。
違いは何なのか。
一言でいえば、当たり前のことが完璧にできること
これに尽きると思います。
結局、こうした原点にどこまで立ち返ることができるかが合否の分かれ目になってきます。
(受験がまだ長引いていない)1年目の受験生にも肝に銘じてもらいたいと思います。
独学の限界と可能性について
結論としては、会計士試験の独学は全くお勧めできません。
予備校以外の市販の教材は受験用に対応しているとは限らず、勉強も非効率的になりやすいからです。
答練を受ける機会もありません。
ごく一部の秀才以外は避けるべきといえます。
他方、今日ではオンライン講座等、通信教材が充実していますので、勉強の形式は独学と変わりません。
そこで独習で進めるにあたって、必須になってくるのが次の2点です。
- 法令改正に対応した最新の予備校の教材を使うこと
- 答練を受けること
ズバリ言えば、これらにどれだけ金をかけられるか、が合格のカギとなってきます。
結局、独学志望の人でも、最終的には完全独学ではなく、半独学というスタイルをとることになると思います。
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